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人間達は釈迦だイエスだはたまたアラーだと騒ぐがオットドッコイ。「神」とは人間をはるかに凌駕した知的生命体なのだ。
時間軸も空間軸も科学力もケタ違い。人間には想像もつかない。

当の神達はといえば、いつ頃からかナノテクノロジーや巨大計算機を駆使した「進化」の仮想実験に余念がない。
神仲間ではこの設備「銀河系キット」と呼ばれている。国家プロジェクトである。
神とて自ら「どこから生まれたか」知りたいと願うもの。
似たシミュレーションで自分たちに似た進化を見守り、更にはその果てにある末路を占いたい。
そう考えても不自然じゃない。

ところが困った事がひとつ。
水と空気に覆われた惑星。
それがキットの中に生まれる可能性はごく稀。奇跡的とすら言われている。これは問題。
その点、「太陽系」に生まれた「地球」というのは特殊な星だった。
なんせ生命が誕生、進化を遂げ、今や二本足二本触手の知的生命体「人間」が発生・繁栄しているのだ。

そしてこの星もそう。第二の希望の星である。ただ…
地球に似てるがちょっと違う。

進化の過程もそっくりだが若干のズレがあるのだ。種ごとの進化スピードに。
気まぐれな適応速度のズレからか、どういうわけか原人と巨大爬虫類が共存。
「地球」で見られた過程とはかけ離れているではないか。

こうなると原人には毎日がサバイバルである。
無事子孫を残しホモサピエンスへ駆け上がれるかは彼らの頑張り次第なのだ。
でなければ…爬虫類が知的進化を遂げたりし「地球」とはかなり違う道を辿るだろう。

今。
進化を担う一人の原人が翼竜に攫われようとしている。
プロジェクトの一員、観察係の私としては気になるところだ。

そう。私は神サマ。少なくとも「人間」からはそう呼ばれる生命体の一人。

ナノレベルの言語・思考、この解明機能は未だ完成していないためよく判らないがこう言ってるようだ。

「タ・ス・ケ・テ・ク・レ・ー・!」

<つづく>